レギュレーション
3つのクラスと参加要項
以下の三つのクラスが開催されます。
本場アメリカのBarbershop Harmony Society(BHS)と同じ基準のクラスが二つと、エントリー基準を緩和したクラスが一つです。
いずれのクラスにおいても声部の構成は問いません(男声・女声・混声のいずれも同じクラスの中で審査します)。
Quartet Contestクラス
BHS基準の評価が行われるクラスで、カルテット(4人組)での演奏を対象としています。一曲単位でBHS基準の点数が付与されます。
金曜日に準決勝としてすべてのカルテットが2曲・8分間の演奏を行います。上位10団体程度が土曜日の決勝に進出し、2曲・10分間の演奏を行います。準決勝と決勝での同一曲の演奏は一曲までに限ります。最終的に、準決勝と決勝の演奏に対する評価を総合して順位が決まります。
二人以上の同じメンバを含む複数カルテットのエントリーは認められません。
Chorus Contestクラス
BHS基準の評価が行われるクラスで、コーラス(5人以上45人以下※)での演奏を対象としています。一曲単位でBHS基準の点数が付与されます。
土曜日に最大12分間の演奏を行います(曲数2曲)。これに対する評価で順位が決まります。
※:上限人数はステージ上の物理的広さによって決定されます。現在検討中で、変更の可能性があります
Open Divisionクラス
人数不問のクラスです(カルテットもコーラスもエントリー可能)。
土曜日に最大8分間の演奏を行います(曲数2曲)。これに対して評価を実施し、Letter Grade(A、B、Cなどでの評価)がジャッジから付与されます。演奏された曲のうち、一曲についてはBHS基準の点数もあわせて付与されます。どの曲をBHS基準での審査対象とするかは、各団体が事務局に事前申告するものとします。
エントリー費用
クラス問わず、以下の二種類の費用をお支払いいただきます。ある個人が複数団体において出場する場合、個人登録料を重複して支払う必要はありません。
・団体ごとに40000円の団体登録料(審査を受けるにあたっての費用)
・個人ごとに5000円の個人登録料(会場入場などに関する費用)
レギュレーション
JBC2024のレギュレーションをこのドキュメントに示します。事務局内部でも議論を重ねている段階であり、変更の可能性がある点をあらかじめご了承ください。
レギュレーション中にも示されていますが、審査はBHSの審査基準に従って行われます。厳密な審査基準を知りたい場合、BHSのルールブックを参照ください。ただし、BHSルールブックでは準決勝と決勝で同じ曲を歌ってはならないとなっていますが、この点のみ「一曲まで重複を許す」というように変更します。
補足情報
出場者の皆様により快適に参加いただくための補足情報を下記に示します。
いわゆるContestableな曲とは何か
BHSのルールでは「バーバーショップの曲」を一般的に使われている用語よりもさらに厳密に定義しており、コンテストにおいてこの基準を満たしていない曲は減点されたり、最悪の場合失格となります(※)。バーバーショップカルテットやコーラスによってよく歌われているアレンジだとしても、このコンテスト基準に合致するとは限りません。BHSのルール上、コンテストで減点要素がないであろうと思われるアレンジのことを俗に「Contestableである」と呼びます。BHSルールブックの該当部分の翻訳ドキュメントを「歌と編曲についての規定」として公開しておりますので、ご参照ください。
※:失格となるのは「楽器がついている」「全編ベースメロディである」などの極端なケースのみで、ほとんどのケースはMusicカテゴリについての減点に留まります
以下にサマリーを示します:
いわゆる、Contestableな曲とは
メロディの大部分が上から2つめのパート (Tenor II) によって歌われる
ダイアトニックもしくはセカンダリードミナントの進行で構成されるメジャーコードの曲
4つの独立した声部がそれぞれほぼ同じリズムで同じ理解しやすい(英語の)歌詞を歌う曲
以下のような特徴を持つ曲はContestableではありません
和音構成においてJazzコードを多用していたり、対位法で作曲されていたり、Eric Whitacre に特徴づけられるような和音を使用する曲
愛国心や宗教に関連する、もしくは刺激的すぎるテーマの曲(歌詞・音楽・見た目いずれにおいても)
いかなる形においても楽器の演奏が伴われる曲
Contestableな曲の変遷
BHSのルールには時折変更が加えられます。その中で曲が満たしているべき性質の基準(=いわゆるContestableな曲の基準)も、年々緩和する方向に変化してきています。
Contestableな曲を見つける方法
原則論でいえば、出場者はルールブックを読んで基準を理解し、その基準を守った曲を選ぶことができます。
上記の規定を読んで迷う場合のため、一般的に出場者が参考にできる調べ方を以下に2つ紹介します。
方法1:過去のコンテストで歌われており、減点処理が行われていない曲を探す
BHSコンテストのリザルトはこちらのページなどから確認できます。減点処理が行われている場合はMusicカテゴリスコアの横にマイナスマークが付与されるなどの形でリザルトシートにその旨の記載がなされます。そのため、リザルトシートに特段の記載がない場合は減点処理が行われていないと判断できます。上述のように、Contestableの基準は年々緩和される傾向にあるため、過去のコンテストで減点処理が行われていない場合は現在でもContestableである可能性が高いと考えられます。
女声のバーバーショップ団体であるSAI(Sweet Adelines International)のコンテストで歌われた曲についても基本的に同様ですが、注意点があります。2024年現在、SAIの方がBHSよりもContestableの基準が厳しいため、SAIでContestableであればBHS基準でもContestableである可能性が高いです。ただし、SAIでは決勝戦やSAIにおけるOpen Divisionにおいて、Contestableではない曲も演奏の一部に含めてよいというルールがあるため、コンテストで演奏されている=Contestableである、の関係が成り立ちません。準決勝で演奏されているか、決勝のリザルトシートで曲名とスコアが記載されていて、かつ減点がなされていないことを確認してください。
方法2:複数のカルテットをコンテストに送り出した実績のあるArrangerがContestableであると判断している曲を探す
Arrangerによっては、自身のサイトなどで「この曲はContestableである/ではない」という表記をしているケースがあります。この表記は多くのケースで正しいです。判断に迷う場合は、事務局までお問い合わせください。
Open Divisionでの演奏曲
Open Divisionは、Contestableな曲を十分に準備するのが難しいグループにも出場していただきたいという気持ちから設定しております。
しかし、JBC2024の理念として「バーバーショップの祭典として、本場のコンテストを出来るだけ体験してもらいたい」という考えがあることから、以下をお願いしたいと思っております。
・一曲はContestableな曲に挑戦してほしい(その一曲に対してはBHS基準での評価を行います)
・Contestableではない曲も、バーバーショップらしい曲を演奏してほしい。具体的には「英語歌詞・無伴奏・4声部以下・ボイスパーカッション無し」という条件は少なくとも満たしてほしい
FAQ
出場者から質問に応じて随時追加していきます。
演奏・審査に関すること
この項目における記載内容はいずれも厳密なレギュレーションとして保証するものではありません。最終的には、ジャッジの判断にゆだねられます。
英語以外の言語での演奏は認められるか?
BHSの審査ルールには「英語であること」の定めはありません。しかしながら、JBC2024においてはジャッジが英語ネイティブであること、ルールブックに「理解しやすい歌詞を歌う曲」という規定があることから、英語での歌唱を事務局では推奨しております。英語以外の言語で歌唱した場合、減点が発生する可能性があります。
演奏途中でのパートの変更(スイッチ)は認められるか?
ルールブックには曲中でのパート変更を否定する記述はありません。しかしながら、特に「上から2つめのパート (Tenor II) によって歌われる」ことが規定されているメロディに関して、ジャッジから見ると「パートを変更している」のか「楽譜上別のパートがメロディを歌っている」のか判断することができません。そのため、途中で特にLeadパートについてスイッチをした場合、減点の可能性があります。
曲間での変更についてはこのリスクは低いと考えられますが、ジャッジに対してどの人間が上から2つ目のパートであるか伝わるようにする必要はあります。
個別の曲について、Contestableであるか事務局に問い合わせすることは出来るか?
個別の曲についての問い合わせに対応することは原則できません(当初は実施予定でしたが、リソースなどの観点から難しいと判断しました。申し訳ありません)。上記に示したように、過去のコンテスト実績などでご判断ください。
ただし、出来るだけ関連した疑問には答えたいと思っておりますので、仮エントリーなどを通して事務局とコンタクトを取り、質問いただくことは歓迎です。
審査は楽譜に基づいて行われるのか?
BHS準拠での審査では、ジャッジは楽譜を見ません。ですので、楽譜通りの演奏をしているかどうか、といった評価基準はありません。演奏アレンジがContesableであるか、などもあくまでの演奏内容から判断されます。そのため、演奏の調が楽譜と異なる、などといったことに関しても審査に影響はありません。
演奏時間はどこからどこまでを計測するのか?また、既定の演奏時間を超過した場合のペナルティは何か?
演奏時間は「1曲目の前のピッチパイプの吹き始め」から「最後の曲の演奏終了まで」で計測されます。超過した場合のペナルティは程度によって変化しますが、最悪の場合失格もありうることはご承知おきください。JBC2024は進行上許される遅延が極めて少ない状態のため、皆様にはご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
Quartet Contestにおいて、準決勝のスコアは最終順位に影響するのか?準決勝のスコアはいつわかるのか?
Quartet Contestの最終順位は、準決勝と決勝のスコアを総合(単純に合計)して決定します。そのため、決勝のスコアと最終順位が異なる可能性は大いにあります。また、決勝進出カルテット(=上位10カルテット)の準決勝スコアは決勝終了後の公開となります。
事務的な対応に関すること
こちらに関しては、記載内容が事務局からの正式回答となります。
カルテットに関して、エントリー時からメンバ変更は認められるか?
以下のルールとなります。
・1名の変更は自由に可能(事務局への届出は必要)
・2名の変更は理由も添えて事務局に相談し、事務局が可否を判断
・3名の変更は不可
楽譜購入の証跡提出が必要とのことだが出版譜での演奏が必要か?
出版譜でなくても結構です。
楽譜購入証跡提出が必要な理由は、耳コピなどの不正な手段で入手した楽譜での演奏ではないことを証明してもらう必要があるためです。ですのでアレンジャーと直接連絡を取って演奏の許諾を得た場合はその証跡(メールなど)の提出で構いませんし、演奏者自身でアレンジした場合であればその旨を連絡いただければ結構です。
ただし、アレンジャーからの購入の場合、本人の許可以外の部分(各国での原曲に関する著作権処理など)で問題が発生する場合がございます。この部分について判断がつかない場合、個別に事務局までご連絡ください。事前の相談に対しては、事務局は出来る限り出場者の演奏したい曲を演奏可能になるように助力させていただきます。
演奏順はどのように決定されるのか?また、いつアナウンスされるのか?
Quartet Contestの決勝「以外」の演奏順は、事務局によって決定され、JBC2024開催以前にアナウンスされます。Quartet Contestの決勝の演奏順は、準決勝開催日に進出カルテットが確定した後に事務局によって決定され、その日の夜中にWebサイトならびに参加者LINEオープンチャットにてアナウンスされます。
演奏順の決定基準は基本的にはランダムですが、必要な事情を事務局で勘案のうえで決定されます。Quartet Contest決勝の演奏順に準決勝のスコアは関係しません。
体調不良者によって人数が揃わない場合はどのような処置となるか?
Chorus ContestやOpen Divisionにおいて、4パート揃う場合はそのまま演奏いただいて構いません。パートが揃わない場合は基本的には出演不可能となりますが、その場合でも可能な範囲で出場者の特典を得られるように可能な限り事務局で調整させていただきます。まずは状況確定次第、早めのご連絡をお願いいたします。
演奏動画を公開されたくないが、そのように対応いただくことは可能か?
本イベントは日本のバーバーショップ振興を目的としており、その目的においてイベント内容の記録・宣伝が重要であると事務局が考えていることから、原則演奏動画は公開したいと考えています。一方、出来るだけ公開されたくないとお考えの団体が存在することも理解しております。
そこで、Open Divisionカテゴリに限り、事務局に事前に連絡いただければ当該団体の演奏動画公開を控えさせていただきます。ただし、その場合においても、会場風景動画などを公開する際に当該団体のメンバが映りこんでしまう可能性はありますので、その点はご容赦ください(そのため、レギュレーション上では撮影許諾の項目についてOpen Divisionについての特別記載はしておりません)。
Quartet Contest/Chorus Contestの両カテゴリでの演奏内容の公開については同意必須とさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ジャッジからのフィードバックについて
Quartet Contestクラスへの出場カルテットは、アメリカでのコンベンションと同様、ジャッジから直接フィードバックを受けることができます。長さは20分程度を予定しています。歌いながらのフィードバックを予定しているため、可能であれば4人揃っての参加を推奨しております。準決勝で敗退したカルテットは土曜日の午前中に、決勝に進出したカルテットは日曜日の午前中に予定されておりますので、ぜひ予定を確保ください。
Chorus ContestとOpen Divisionについては未定ですが、同様のフィードバックが受けられるように調整中です。少なくとも、テキストでのフィードバックは受けられるように調整する予定です。